『合言葉は“どうにか、なるさ”』ができるまで。
- kazenooka
- 2023年6月8日
- 読了時間: 2分

先日、いつも事業所を訪問してくださるヤクルトレディの方から、
「友人が風の丘の前を通るときに見える、『合言葉は“どうにか、なるさ”』って言葉、良い言葉だね~って、言ってましたよ」
と、うれしいお話をいただいた。
『合言葉は“どうにか、なるさ”』は、当事業所の支援における基本中の基本理念で、あらゆる支援プログラムはこの理念に基づいて展開されているといっても過言ではない。
とはいえ、じつは当事業所も設立当初は、いまとは異なる理念を掲げていた。
『すべての人の自立を支える』
なんとも気宇壮大なスローガンではないか。
もちろん大真面目に、この理念が実現できるよう、日々真剣に利用者さんと相対してことは間違いない。
そして数年が経ち、コロナ禍に見舞われた。
クラスターを発生させないように、毎日毎日消毒に追われた。
とにかく利用者さんの生命を守ることで精一杯だった。
そんな日々を過ごしていくうちに、
「自立がどうしたこうしたなんて、もう、いいよ」
という、はっきりとはしないのだが、コロナ禍という「修羅場」を歩みながら、なにやら確信めいた結論が脳裏に宿り始めていた。
コロナの脅威に怯えながら、支援者と利用者さんは、いまどんな気持ちを共有しながら、歩んでいるんだろうか?
振り返ってみると、そこには「自立」の「じ」の字もないことに、改めて気付かされた。
支援の基本理念は、本当に大切なことをじゃなければ意味がない。
設立当初の理念を変えることに、なんの躊躇もなかった。
こうして、コロナ禍のただなかで、「本当に大切なこと」めぐる、利用者さんと支援者による対話が始まった。
『合言葉は“どうにか、なるさ”』が生まれる、ほんのちょっと前のことである。
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