就職対策講座②~共感し過ぎて心が痛くなる「退職」の話~
- kazenooka
- 2023年10月24日
- 読了時間: 3分

今回の就職対策講座のテーマは「退職」。
これから就職をしようとしているのに、いきなりテーマが退職?!
ということで、意表をついたようなテーマ設定に見えるかもしれないが、もちろん意表をつくことが目的でも、ましてやウケねらいなどという目的でもない。
いまこの時期に実施する就職対策講座において、最も有意義性のあるテーマはいったい何かをトコトンかんがえ込んでのこと。
ぼくはこれまで支援者として、数多く転職を重ねてしまった方々のご相談にのってきた。
転職した数は覚えているだけで数十を超える方、住んでいる町の主だった会社はほとんど勤めてしまった方…。
みなさん、新しい職場で仕事を始めるときは“この会社を最後の職場にするぞ”と硬く誓ったはずなのに、いつしか月日が経ち、気が付けば会社を辞めたくなり、平日の休みになると自然とハローワークに足が向き、暇さえあれば求人サイトを眺めるようになる。
“いったんそうなってしまうと(会社を辞めたいサイクルにはまってしまうと)、自分でも止められなくなってしまうです”とは、とある相談者の声。
「遅刻と早退はクセになる」といった人がいたが、たぶん退職も同じなのだろう。
一度クセになってしまうと、自分でも抗いがたい衝動に呑み込まれていってしまうのだろう。
幾人もの相談者のみなさんと話をしていく中で、気付いたことがある。
それは退職に至るまでの会社内の出来事や、退職のときにかんがえたことなど、退職にまつわることについては、みな等しく話したがらないということだ。
再就職したときの意気込みや就職後の会社内での不満や納得がいかなかったことについてはよく話されるが、退職にまつわる話になると、よく覚えていないのかとにかく不分明な話に終始する。
もちろん思い出したくもないこと多いことは、間違いないことだろう。
しかし、おそらく退職するときほど、自分のこと、仕事のこと、これからのことを真剣にかんがえるときはない。
でも次の職場に移ってしまうと、退職するときの目まぐるしかった自問自答どこかに過ぎ去り、何もなかったかのように、ふつうの日常がやって来る。そしてまた、あの「仕事を辞めたい衝動」が芽吹き始め、サイクルの自動運転が始まり、心身ともに翻弄されていく…。
ということで、今回の就職対策講座のテーマは「退職」。
「退職したくなったときはどんなとき?」、「次の職場でもどんな状況になったら、退職したくなると思うか?」、「退職した日はどんな気持ちだったか?」、「ざっとかんがえて、あと何回くらい退職してしまいそうか?」…。
“心が痛くなるくらい共感した”、“会社が変わっても、自分は変わらないからな…”。
なんだかとてもしみじみとした感じに包まれた、就職対策講座だった(これでよし)。
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