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うつ病・パニック障害の方への支援~「風の丘メソッド」について~

  • kazenooka
  • 2024年10月11日
  • 読了時間: 4分



これまでに風の丘で実践してきた「うつ病・パニック障害」の方への支援(以下、「風の丘メソッド」について、おおまかなところを書いておきたい。

もちろん具体的な支援展開は、「うつ病・パニック障害」などと一括りにできるはずもなく、それぞれの利用者が生きてこられた背景や価値観などによって、いかようにも変容する。

今回は個別の支援のあり様ではなく、風の丘メソッドのアウトライン、当事業所は「うつ病・パニック障害」に対してこんな理解をして、こんな支援を実践していますよという、大まかなあらましだけでもお伝えできればと思っている。


少し一般的な言い方になるけれど、これまで「うつ病・パニック障害」で休職したり、退職してしまった利用者さんの多くは、なにかこう日常的に自分の感情を抑圧するのが当たり前になってしまっている印象を受ける。

会社の規律や社会が求めてくる役割(会社では肩書や地位、家族だと父親、母親など)を真面目にひたすらに生きてこられた、という感じだろうか?

もちろん社会で生きていくにはこれはむしろ称賛されるべきことで、非難されるいわれはまったくない。


ただ、この生き方には大切な留保がつく。

あくまでも、自分の身体を苦しませない範囲において、ということ。

自分の身体が悲鳴をあげない範囲において、ということ。


これまで何回も書いていることだけれど、ぼくはうつ病を「心の病」と捉えることはやめるべきだと思っている。

むしろ、脳(意識)と身体の連関が不全となり、脳が指示しているように身体がうまく動かなくなっている状態と捉えるべきではないだろうか。

これまでの経験上、基本的な発症の契機は、パニック障害も同様ではないかと推測している。


これは仮説だけれど、どうも人間という生き物には、自分の自然な感情や気分を過剰に抑え込んでしまう生き方をしていると、身体が“もう無理だよ”、というサインを出す機能があるらしい。

そのサインが、身体を動きにくくさせるようなものであれば「うつ病/症状」となり、心臓を激しく鼓動させるようであれば「パニック発作/障害」となる。

ということは、身体が悲鳴をあげる手前で、自分の身体の「無理さ」に気づけるようになれば、うつ病やパニック発作はちょっとずつ起きにくくなるということでもある。


上記のような仮説に基づいて、風の丘メソッドは3つのコンセプトから構成されている。


創造性

探求性

身体性


➀創造性

これまで知らず知らずのうちに抑えてきてしまった自分の感情や気分を、自分が納得できるような表現で解放していくこと。

絵を描く、楽器を弾く、造形する…、さまざまなアートの手法を用いて創造性を触発していくことで、自分の生命や生活に対して肯定的感覚を取り戻していく。


②探求性

科学、社会、スポーツ、芸術などジャンルを問わず、日常生活やニュースなどから、気になったことがらをとことん探求し、眠っていた好奇心を目覚めさせる。

自分の設定したテーマを深掘りし、好奇心によって自分を取り巻く環境を再認識していくことで、これからの生活や仕事についての展望をつくっていく。


③身体性

アートやものづくり、太極拳などの中国武術の基本運動を通じて、脳と身体をゆるやかにつなげていく。

自分の身体に対する愛着、自分の身体に親しみ、やさしくなれることで、無意識に自分の身体に投げかけていた不満や非難の言葉が止み、現在のコンディションに基づいた現実的な生活スタイルを模索していけるようになる。


この3つのコンセプトに基づいたメソッド・プログラムを実践していくことを通じて、自分の自然な感情や気持ちに気づき、自分の身体に対して肯定的な感覚となり、自分が親しみの持てる世界(環境。職業も含む)を選べるようになっていく。


もちろん、すべてがこんなふうにうまくいくはずはない。

それでもおかげさまで、これまで風の丘メソッド利用された多くの利用者さんが現在は仕事を再開し、ご自分なりの『それぞれの生き方』をされている。


風の丘メソッドの具体的な内容については、今後少しずつ書いてみようと思います。

もしうつ病やパニック障害により、今後の生活に不安や心配をお抱えの方がおられれば、お気軽にお問い合わせくださいませ。



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