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風の丘が就労移行支援にこだわるわけ~OB・OG会のことなど~

  • kazenooka
  • 2024年8月3日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年10月11日




毎週金曜日の夕方は、OB・OG会。


就労定着支援が始まる遥か前から、風の丘は就労移行支援から就労したOB・OGさんが、差し入れをもってよく顔を出してくれた。


風の丘では、OB・OGさん向けのイベントとして、1月は新年会、5月はバーベキュー会、8月は花火会。年末の忘年会は、利用者さんとOB・OGさんが会えるように夕方から始めるようにしていた。

こういったイベントのときには、就労した方だけではなく、就労継続A・B型などに入所した方にも声をかけ、各事業所様のご協力もいただき、風の丘を利用した多くのみなさんとお会いできるようにしてきた。


毎週金曜日がOB・OG会となったのには、あるきっかけがあった。

ひょんなことから、元中学校の校長先生が、ボランティアで麻雀を教えてくださることになった。ほとんどの利用者さんは、麻雀は未経験。

大丈夫かなと端からみていて心配だったが、そこは元学校の先生。

とにかく教えることが、ものすごくうまい。

何をどの順番で、どのタイミングで教えればいいのか、その勘所は本当に見事なもので、未経験の利用者さんがスルスルと覚えていった。


でもせっかく覚えた麻雀も、やっていなければ忘れてしまう。

それじゃあかなしいよね、ということで毎週金曜夕方が麻雀会となった。

そのときの利用者さんたちが、就労した後も麻雀会に引き続き参加するようになると、その時間に風の丘にいけば誰かに会えるということで、自然と金曜夕方にOB・OGさんが集まるようになっていった。


思えばOB・OG会は、コロナ禍のとき、とりわけ緊急事態宣言時もずっと継続されてきた。

時間を短縮したりしたが、金曜日の夕方は、当たり前のようにOB・OGさんが顔を出してくれた。

そこでいつもと変りなく麻雀をしたり、ボードゲームをしたり、楽器を演奏したり、雑談をして時間を過ごした。


けっして大げさではなく、あのコロナ禍では生死の際を覚悟したOB・OGさんも決して少なくなかった。

それでもOB・OG会には、みなさん参加された。

ぼくらは感染の危険性にハラハラしていたが、むしろOB・OGさんたちは自分の生きる支えを確認するためにOB・OG会に参加されていたのだと、いまになって気づかされる。


OB・OG会は、いまも普通通りに毎週金曜日の夕方開かれている。変わったところといえば、少し前から将棋が加わったことくらいだろう。


とあるOBさんが、ポツリと漏らした言葉がいまでも浮かんでくる。

“風の丘で出会った人って、自分の人生で最悪のときに出会っているから、カッコつけても仕方ないし。だから会うと、なんだかわからないけどほっとする”。


そう、風の丘は、おそらくその人が人生最悪のときに訪れる場所。そこで出会った人々も、同じように人生最悪のときを生きている。

だからこそ、わかり合えるところがある。だからこそ、あえて踏み込まないつきあいの大切さがわかる。


久しくOB・OG会に姿を表さない方がいる。みなさん、それとなく気付いているが、あえて口に出すことはない。

そして、その方がひょいと、それこそ思い出したようにまたOB・OG会に顔をだす。

誰かが、尋ねる。

ずいぶんと久しぶりだけど、どうしてたの?

入院してたんですよ。調子くずしちゃって…”

まぁ、いろいろありますよね。麻雀、やっていきます?

あ、はい


就労支援センター風の丘の存在意義は、この瞬間にあるのかもしれない。

そんな気がする。

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